京都共栄学園に中学校ができたのは今から50年以上も前に遡ります。まだまだ私立中学が珍しかった時代に、京都府北部の小さな町で、本校中学は中高一貫教育としていち早くスタートしました。最初の入学生はわずか20名程度でしたが、以来今日に至るまで、2,500名を超える人材を輩出し、京都府でも有数の進学校として認められるようになりました。その設立時から医学部への進学を志す者が多く、伝統的に理数系に強い授業体制をとってきました。また、近年はクラブ活動や生徒会活動、道徳教育にも重点をおいて、知育に偏らないよう、豊かな人間性の育成に力を注いでいます。公立でも特進コースや中高一貫教育が設置されるようになった今の時代ですが、京都共栄学園では、大学進学への学力伸長という柱を大切にしながら、さらにこれからの時代に求められる人材づくりを強く意識した、本校が理想と考える一貫教育を行ってまいります。
中学1年では、入学式直後の大江山オリエンテーション合宿からスタートします。普段は各クラスで朝学習(モーニング・スタディ)を実施し、定期考査2週間前からの学習計画を立案、実行シート作成といった取り組みをしています。生徒それぞれの状態を見ながら英語、数学では習熟度別授業を導入するなど、集団としてのレベルアップと個別の苦手部分をフォローすることに重点を置き授業を行います。また、道徳教育にも力を入れ、人間性の向上にも力点を置いています。
中学3年では、数学、理科について高校過程の内容に入ります。また、5月に実施する修学旅行での平和学習や、伝統の応援合戦に中心となって取り組む体育祭、考えをまとめ発表する文化祭での弁論大会などの学校行事を通じて、学力と人間性の向上を図っています。高校1年からは、2号館に教室が移り、土日の自主学習登校も活用して、より自ら学習する姿勢、飛躍的に増加する学習量をこなす習慣を身につけるよう指導しています。
高校2年からは、受験体制に入った先輩達の生活を垣間見て、徐々に受験生になる準備が始まります。1階にある進路部と共に、受験体制へシフトし、高校3年の春には学習合宿を実施して、意識の切り替えやモチベーションのアップを図っています。夏期補講では、有名予備校講師の講座や開講も含めて、5教科の補講を実施。冬期のセンター対策から国公立2次試験まで教科担任、学級担任、進路部が一致協力して受験に立ち向かいます。
難関大学合格というのは、一つの結果であり、本校の教育目標ではありません。目指しているのは、6年間という貴重な時間を使って、生徒一人ひとりが、自らの人生を豊かに、そして何より幸福であるための、人間的基盤をつくりあげることです。高い学力は当然のこととして、豊かな人間性を兼ね備えた人材を育てたい・・・それが本校の目標です。
バタビア中学部の先生の多くは、高校生も教えています。大学入試に向けての受験指導をしているから、逆算して中学校の学習を効果的に組み立てられるのです。中学から高校課程へのつながりをスムーズにし、高校でいち早く受験体制がとれるよう中学校では指導しています。
中学高校一貫教育の一番のメリットは、中学と高校課程で重複する授業を省き、効果的に中等教育課程の学習が定着できることです。京都共栄学園は併設型一貫校として、高校課程の内容を中学校で取り扱うことが認められています。この「先取り」学習による「高校での受験対策時間の確保」は、一貫教育による効率的な教科指導の副産物と言えます。
一番は土曜日授業や7時間授業による週当たりの授業時間です。英語・数学・国語・理科などの科目の授業時間が、週当たりそれぞれ2~3時間多く実施されます。しかし、そういった授業時間の多さよりも私学ならではの教育理念が貫かれた教育であること。そして何より、転勤がなく、この学園に自らの教育人生を賭けた、先生方のモチベーションの高さこそ、京都共栄学園の魅力です。